『☆三島由紀夫『橋づくし』文芸春秋社-昭和33年-5版-稀異装赤函』はセカイモンでc52c4cfa24から出品され、282の入札を集めて01月05日 22時 34分に、15600円で落札されました。即決価格は15600円でした。決済方法はに対応。鹿児島県からの発送料は落札者が負担しました。PRオプションはストア、取りナビ(ベータ版)を利用したオークション、即買でした。
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「橋」とは、ある世界と別の世界を結ぶものなのであり、それを渡ることを繰り返し、そうしてすべて渡り切れば最後に、望むものを得ることができるという「人生そのもの」を象徴化している物語と言えます。
しかし、望みを得るための努力は、「肉体的な状況」、「人とのかかわり」、「社会的な決まり事」によって破綻させられてしまいます。
それらは、かならず、「個人的」な望みを破る方向に機能するのです。
三人の望みが破れる中、どのような望みを持っているのか何もわからない「みな」だけは、なにごともなかったかのように願い事をし、しかもその願い事は最後まで明らかにされないのです。
ここからが大きなテーマになります。
冒頭に「天の網島」の一節が書かれています。
「天の網島」では、橋づくしを終えた後に、望みがかなうのです。望みとは、愛しあう男女が永遠に一緒になるという望みでした。
それは「心中」によってかなうものだったのです。死による絶対的な成就。
これと重ね合わせて、はじめてこの物語は成り立つのです。
人の夢や希望は、生きていくことそのものによって、かならず妨害され、破綻させられる。
望みの絶対的な成就は、永遠なる死の中にだけあるのであり、もし生者がそれをかなえるなら、それは内なる闇の中、誰にもわからない個所にのみある。
生きていながら、ある意味、死んでいなければ得られるものではないのだ。
死を永遠に連ねる黒い奈落こそが、ややコミカルにすら見えるこの物語が描いていることなのです。』(より転載